被害者等支援計画

はじめに

お客様の死傷を伴う事故・災害(以下「事故」という。)が発生した場合の、お客様の救護、情報提供、事故現場等における対応、被害者等に対する継続的な対応及びその基本的な実施体制等について、以下のとおり「被害者等支援計画」を定めます。

本計画は、「公共交通事業者による被害者等支援計画作成ガイドライン」(国土交通省平成25年3月29日)に則り定めたものです。

被害者等支援の基本的な方針

  • (1)安全の確保に対する基本的な考え方
    当社はJR西日本グループの企業として、「安全綱領」の理念のもと、安全の確保は輸送の生命であることを第一に、規程の遵守は安全の基礎であること、執務の厳正は安全の要件であることを示し、「安全」を常に最優先すべき価値観と位置づけています。
    このような理念のもと、「安全・安心の提供」を目指し、輸送の安全を確保するために経営トップから現場まで全社員が一丸となって輸送の安全性の向上に努めます。私たちは、安全の確保のために、組織や職責をこえて一致協力し、事故が発生した場合には、二次災害防止の措置とお客様、負傷者の救護をすべてに優先します。
  • (2)被害者等への支援に関する基本的な姿勢に関すること
    事故が発生した場合には、事故の規模等を勘案して対策本部を設置し、各社員の役割等を明確にして、機能的かつ機動的な体制を迅速に整えるとともに、事故対応や原因究明に取り組んでまいります。対応については、被害者及びその家族に真摯に向き合い、そのお気持ちやご意見をお伺いしながら、事業者として精一杯の対応に努めていくことを基本方針とします。そのための組織体制の整備、社員の教育、研修及び異常時対応訓練を実施することとします。

被害者等支援の基本的な実施内容

  • (1)情報提供
    1. 1. 事故情報の家族への提供
      • ○ 関係機関との連携による情報収集等
        • ・被害者等の情報収集に当たっては、国土交通省と連携の上、警察・消防等が把握している情報(救出活動の状況、搬送先病院、被害者の安否等)を、できる限り提供していただくよう依頼します。
        • ・被害者の搬送先病院に対し、搬送された被害者の情報をできる限り提供していただくよう個別に依頼します。
        • ・現地に社員を派遣し、上記情報を把握するよう努めるとともに、関係機関と連携し、被害者の家族への連絡に可能な限り努めます。
      • ○ 問い合わせ窓口の設置
        • ・ご家族等からのお問い合わせに対応するため、事故の規模により事故の発生後速やかにお問い合わせ窓口を設置します。
        • ・事故現場や搬送先の病院等に担当者を派遣し、現地に向かわれたご家族等からのお問い合わせやご相談に対応できるよう努めます。
    2. 2. 乗客情報及び安否情報の取扱い
      • ・乗客情報及び安否情報の取扱いとして、お問い合わせ窓口では、被害者の氏名等の情報を確認のうえ情報提供を行います。
      • ・被害者のご家族や職場の関係者等であると確認できる場合には、可能な限り詳細な情報提供を行います。
      • ・本人や家族から非公表の申し出があった被害者に関する情報は提供しないこととします。
      • ・情報の取扱いにおいては、個人情報保護法の趣旨に十分留意します。
    3. 3. 被害者等への継続的な情報提供
      • ○ 安否情報の継続的な情報提供(事故現場に赴けない家族に対する情報提供を含む)
        • ・ 事故現場等で安否確認のためお待ちのご家族に対して継続的に安否情報を提供します。
        • ・ お問い合わせ窓口については、事故現場に赴けないご家族に対する安否情報の継続的な情報提供のため、必要と考えられる一定期間開設することとします。
      • ○ 事業者として公表する事故に関する情報、再発防止策等の継続的な情報提供
        • ・ 事故の規模に応じて、被害者等それぞれに担当者を指定するとともに、当該担当者等を通じて事故に関する情報、再発防止策等について情報提供を行うこととします。
        • ・ 必要に応じて、事故に関する情報や再発防止策、被害者等支援の取り組み等について、具体的に説明することとします。
  • (2)事故現場等における対応
    1. 1. 事故現場等への案内
      • ・ 事故の発生直後、ご家族等が事故現場等に向かわれる際には、移動のために必要な交通手段等を確保いたします。
      • ・ 現地や最寄りの駅等に担当者を派遣し、向かわれたご家族等にご案内できるよう努めます。
    2. 2. 滞在中の支援
      • ・ 事故の発生直後、ご家族等が安否確認等のために事故現場等に滞在される場合には、必要に応じた支援を行います。
    3. 3. 病院での対応
      • ・ 病院において、事故の被害者に対し、ご本人、ご家族の意向を尊重しつつ、必要な対応を行います。
  • (3)継続的な対応
    1. 1. 被害者等からの相談受付体制
      • ・ 事故の規模に応じて、被害者等それぞれに担当者を指定し、被害者等からのご相談に応じる体制を整えます。
    2. 2. 被害者等に対するサポート
      • ・ 被害に遭われた方々やそのご家族等からの心のケアに関するご要望があった場合には、保健所等行政機関や医師等専門家の協力をいただきながら必要な支援に努めます。
      • ・ 被害に遭われた方々やそのご家族等へは、お問い合わせ窓口などで対応させていただきます。

被害者等支援の基本的な実施体制

(1)体制の確立

事故発生直後においては、二次災害防止の措置とお客様救護を最優先に行います。
その際には、発生した事故の規模等を勘案して、必要に応じて「事故対策本部」を設置するとともに、被害者等への対応、社外対応、広報対応等、それぞれ必要な体制を整備し、精一杯の対応にあたります。
中長期的には、事故の規模に応じて、担当部署を設置し、被害者等それぞれに担当者を配置する等、対応体制を整えて対応することとします。
なお、これらを実施した場合の記録の作成及び保存についても、担当部署において適切に行うこととします。

事故発生直後における体制(「事故対策本部」のうち、被害者対応に関する体制を記載)

体制の確立 ※発生場所等により、本社または、支店・営業所のみで同様の体制をとる。

継続的な対応にかかる体制
事故の規模に応じた体制を整備します。
(2)研修・教育・訓練等
万が一の事故が発生した場合を想定し、被害に遭われた方々やそのご家族等を支援するため、以下の教育・訓練等を計画的に実施することとします。
・ 事故の対応訓練
事故が発生した際の対応について、お客様の避難誘導などの対応訓練を実施してまいります。
・ 被害者等支援訓練
事故発生時における迅速な初動対応の向上等を目的に、被害者等支援訓練を行います。
・ 安全研修
社員の安全意識を高め、一人ひとりが自ら考え、安全を最優先に行動できるよう、過去の事故からその教訓を学ぶなどの安全教育を行うこととします。